あぶくま洞                             

何故そんな旅になったかは長くなるので省略し、福島県田村市滝根エリアにある「あぶくま洞」見学につき記す。常磐線いわき駅発8:43の磐越東線郡山行に乗る。それは2両のディーゼル車で、短いトンネルの多い単線軌道をくねくね曲がり磐城街道を右に見たり左にみたりして行く。直線コースでは時速100kmとなるのだが所詮は田舎鉄道で、約51km先の神俣駅には9:33に着いた。観光客として降りたのは私一人であり、駅前のタクシー(一台しかない)で「あぶくま洞」に行ってもらう(写真1)。昭和44年石灰石の採石中に発見されたこの鍾乳洞は、およそ8000万年の歳月をかけてつくられた自然の造形で、一般見学コース全長600mの洞内に種類と数の多さでは東洋一とも言われる鍾乳石が続く。 洞内最大の「滝根御殿」(写真3)ホールは高さが30mもあり、地下水(腐食した生物が発生するCO2を雨水が吸収して酸性になる)によって石灰岩(CaCO3)が溶かされ空洞になった後、長い歳月をかけて様々な鍾乳石(地下水に溶けたCaCO3 が再結晶)などが観察出来る現在の姿になった。鍾乳石1cmの生長に70〜100年かかると言われている。公開されているルートの奥にまだ2500m以上も続く未公開部分がある。写真4(下)は断面図、(上)は平面図、左が未公開、右が公開部分である。何ヶ所かホールは広いのだがその間の通路は狭く、腰をかがめて行かなくてはならず少々窮屈だが、探検コース追加も併せて小一時間の探索であった。山口県秋芳洞は観光用が1.5kmで国内随一だそうだが、このあぶくま洞もランキング5位ぐらいのようで、12月ではあったがマイカーの家族連れが多かった。夏はそこそこの賑わいなのだろう。