2010-01-01から1年間の記事一覧
東大病院放射線科準教授・中川恵一氏の「死を忘れた日本人」(2010年、朝日出版社)の出だしは、『「ねがわくは花のもとにて春死なん その如月の望月のころ」と詠った西行を引き合いに出すまでもなく、日本人は、死を意識して生きてきました。死は自らの心の中…
吉田首相の「軽武装・対米協調」に反発して1954年に自由党を徐名された岸信介は、11月に鳩山一郎と共に民主党を結成した。’55.2の総選挙で民主党は第一党になったが過半数に至らず、岸は保守合同を主導して’55.11自由民主党を成立させ、初代幹事長になった。…
拓殖大学大学院教授・遠藤浩一氏の「政権交代のまぼろし」(2010.2、産経新聞社)の最終章は「政界再編は必然」であり、これを参考にしながら掲題の件を以下に私なりにまとめてみる。 1. 戦後政治の流れ : 第1期は1945年に始まり、主権回復の成った1952年迄の…
掲題はハドソン研究所首席研究員・日高義樹氏の最新刊の書名(徳間書房)である。幅広い人脈から得られる情報に基づく日本へ警鐘には、いつも感銘を受ける。本書の要旨は以下の通りだ。 1) 米国の戦略の変遷 : 昔は敵はソ連であり、基地はドイツを中心とする欧…
久しぶりで琵琶湖西岸の山に行ってみる事にした。比良山地の北の野坂山地にあり、福井・滋賀両県の境にある赤坂山(824m)だ。早朝6時自宅出発、名神高速道を京都東ICで下り、湖西道路を行く。途中で一般道161号になるが、高島市に入りその最後のマキノ町が目…
私の小学校時代からの畏友・木谷明氏(元裁判官・現法政大学教授)が、冤罪がテーマになる場合のメディアにしばしば登場して、検察の正義の危さを訴えているが、その体質の酷さにつき私自身もレクチャーを受けたので、その典型的な事例・足利事件につき、以下…
學士會会報 No.883 (2010.7)に九州大学教授・石田正治氏の「日米安保体制再考」が掲載されている。その結論は「統治体制に対する国民の信頼が無い現在、我国の安全保障は、張り子細工のように脆い」と言う事なのだが、その論旨を以下に要約し、しからば対策…
田中均氏講演や関連新聞報道を参考に、掲題の件につき私見を以下にまとめる。 1. 中国漁船の衝突事件に関し、田中氏同様私も無条件の船長釈放はまさかあるまいと思っていたが、そのまさかが起こってしまった。開いた口が塞がらないが、考えて見るとこの種の…
昨日大阪倶楽部の午餐講演会で、(財)日本国際交流センター・シニアフェロー田中均氏の、掲題に関するお話を伺った。小泉内閣時代に拉致問題の解決に当たっておられた時の氏の、やや弱腰の言動に疑念を持った事があったが、昨日の一時間余りの、考え抜かれた…
Yosemite渓谷での活動三日目のMirror Lake Trailは半日の初級コースであり午後だけで済むので、午前中は再度のGlacier Point(GP)行きと急遽決めた。レンタカーで渓谷をしばらく戻り、いよいよ山道に入ると言う所で「STOP」の標示を持つおじさんに止められた…
昨日のパノラマ・トレイルを終えて今日は第二の事業であるTuolumne Meadowsへのドライブである。渓谷から外へ出る遠征だが、途中May Lakeへのハイキングがある。地図の左端にTo Manteca(120)の記載があるが、サンフランシスコから来て、ここからYosemite渓谷…
Ahwahnee Hotelの第一夜が明けて今回の最大事業に取り掛かる。5:30起床、登山支度を済ませ7:00ホテル前で渓谷内巡回バスに乗りショッピングエリア迄行く。食料品を買い込み、今日のトレイリング出発地点Glacier Point(GP)行きのバスに乗る。ほぼ満員のバスは…
1. 家内の長年の念願だったらしいYosemiteのトレイリングに私も参加を決意し、8月29日から一週間の予定で訪米する事になった。17:10成田発NH8機は満員だったが、予定通りにサンフランシスコ現地時間11:00に到着、入国審査では両手10本の指紋を取られ、どこに…
ロープウェー料金込み二食付き「登山パック」一人11.600円を払って8:10に「シャレー丸沼」を発ち、沼田から続いている国道120号で日光に向かう。白根山の噴火によるせき止め湖である大尻沼・丸沼・菅沼の湖岸を過ぎてから急な登りとなり、群馬・栃木の県境の…
8月9日(月)早朝、軽井沢山荘を車で発って日光白根山登山狙いで群馬県北東部の丸沼高原に向かう。まず北上した後JR吾妻線沿いに、八ツ場ダム工事らしき現場を見つつ、長野原町・中之条町・高山村経由して沼田市に入る。上越新幹線を、次いでJR上越線、関越自動…
沖縄の米軍基地縮小を目指す普天間問題に関して、二冊の新刊書が七月に刊行された。森本敏著「普天間の謎」(海竜社)と守屋武昌著「普天間交渉秘録」(新潮社)である。この二冊から私はまず「普天間基地問題の経緯」と題する年表を作成し、何故にこの問題が長…
表題は、2009.10 PHPから発行された単行本の書名であり、副題は「中国・建国以来の真実と影」となっている。著者は、東京外大中国語科卒・東大大学院卒・現在国際教養大学理事長/学長の中嶋嶺雄氏であるが、中国人で神戸大卒・現在民間研究機関勤務の石平(セ…
先月刊行されたVoice誌上で中西輝政教授は、「人民解放軍が米軍を駆逐する日」と題して米中軍事先日刊バランスの決定的変容に警鐘を鳴らし、同時に、主要国が過去10年間軍事費を増額する中で、我国は減らし続けた唯一の国だと指摘し、自民党政権を含めた日本…
掲題は昨年末ワック(株)から刊行された古森義久著の書名だが、これはアメリカ議会の超党派の常設政策諮問機関「米中経済安保調査委員会」が、長い時間と膨大なエネルギーを投入して続けて来た中国についての調査の、2008年度報告(2008.11公表)の要旨である。…
月刊誌・正論の昨年9月号で、保守派の論客である長谷川三千子氏 (東大文学部哲学科卒、埼玉大学教授) は「難病としての民主主義」を書き、今国民は何を自戒すべきか、を論じている。昨年の衆院選挙前に書かれたものだが、大変示唆に富む解説なので、以下に要…
産経新聞に「刷り込まれた・反基地」の副題で掲題記事が掲載された。以下はその要約。 戦後、米軍統治下にあった沖縄で、県民は一丸となって本土復帰運動に取り組んだが、その先頭に立ったのがまじめな教員達だった。S22に発足した「沖縄教育連合会」は、S27…
門田隆将著・集英社の掲題の新刊は感動のノンフィクションである。主人公・根本博中将の略歴は、明治24年福島県生まれ・陸軍幼年学校/士官学校/大学校卒業・南京/上海/満州に駐在・S19年駐蒙軍司令官・S21年復員・S24年台湾へ密航し金門戦争参画・S27年台湾…
小沢一郎の自民党離党により1993.6に細川政権が誕生したので、’93.5刊行の自著「日本改造計画」(講談社)に示された内容で改革が進むものと国民は期待した。まず他国並みに国際貢献を行えるよう、憲法改正の上での自衛隊の再編を提案し、更に新自由主義の勧め…
産経新聞朝刊に「ハロランの眼」というコラムがあります。執筆者はリチャード・ハロラン氏で、氏は1960〜70年代にワシントンポスト紙やニューヨークタイムズ紙の東京支局長を歴任したようですが、今年80歳で、現在はハワイに在住し執筆活動中のようです。日…
普天間基地移設問題での最大の論点は、「自分の国は自分で守るべし」という至極当たり前の世界の常識が、全く忘れられている点にあると私は考える。米軍に引き上げてもらうなら、その空白を埋めるべくまず防衛費を増額し、日本軍の強化が成った後「長い間我…
二人の米国人歴史家による[Venona:Decoding Soviet Espionage in America]が1999年に出版されたが、その日本語版「ヴェノナ」が中西輝政氏らによって翻訳され今年PHPから出版された。「ヴェノナ」とは1943年、米陸軍によって始められたソ連暗号の傍受・解読…
参院選を前に新党の旗揚げが続いているが、国民受けするマニフェストの競争の観があり、下手をすればバラマキ競争になりかねない。今日明日の生活でなく、日本をどのような国にするのか、を明示する「新党の理念」こそ心ある有権者が待ち望んでいるのだ。そ…
掲題は、長らく防衛庁防衛研究所におられ、中国軍事力研究の第一人者・平松茂雄氏の新著(海竜社2009年12月)の書名で、第一章「日本の海を呑み込まれても中国に無策な日本」、第二章「核ミサイル・宇宙開発で世界の大国に成長した中国」、第三章「融通無碍な…
米国のシンクタンクNBR(The National Bureau of Asian Research)から刊行されたManaging Unmet Expectations(外れてしまった期待をどうする)の翻訳書(掲題がその書名)が、2月に出版された。以下はその要旨。執筆者は軍歴27年の退役陸軍将校。研究チームを率…
3月19日(金)東京に所用があって家内も一緒に上京したが、その後の三連休をホームで世話になっている97歳の祖母の見舞いも兼ねて北鎌倉で過ごした。天候は変わりやすく荒れ模様の予報だったが、最初の日は一応晴れのようなので、かねて狙っていた箱根最高峰の…