足柄峠から金時山(標高1213m) 

3月19日(金)東京に所用があって家内も一緒に上京したが、その後の三連休をホームで世話になっている97歳の祖母の見舞いも兼ねて北鎌倉で過ごした。天候は変わりやすく荒れ模様の予報だったが、最初の日は一応晴れのようなので、かねて狙っていた箱根最高峰の金時山に二人で出掛ける事とした。空が明るくなり始めた5:20、車で出発、由比ヶ浜に出て海岸道路を行き、途中から西湘バイパスを小田原迄行ってそこから伊豆箱根鉄道大雄山線に沿って北上する。終点の大雄山駅近くから御殿場大井線(78号)を西行し、足柄峠(標高759m)に到達する。説明板によると、ここは箱根外輪山から北に派生する尾根上に位置し、古くから官道として防人や旅人の往来が盛んで、万葉集に「足柄の御坂(ミサカ)に立(タ)して袖振らば家なる妹は清(サヤ)に見もかも」があるそうだ。峠から金時山に向かう登りの尾根道を進むと、駐車場がある峠分岐(847m)に来る。歩き始めが丁度8:00、緩やかな登り道から右に御殿場市街、その先に冠雪した雄大な富士山が春がすみの中に見える。やがて「夕日の滝への分岐(猪鼻砦962m)」を経て鳥居に来る。8:30。ここから急登となりステンレス製の階段が何か所も設置されている。途中で富士山を撮影。頂上には9:15到着。南下方に芦ノ湖北部、西方に富士山、東方は明神ヶ岳(1169m)である。強風なので金時茶屋に入り400円の茸汁を注文。備え付けの登山記録に記入。何百回という人も居る。10:00に下山開始。強風は更に強く隣の人声も聞き取れず。駐車場への帰還は11:00だった。朝来た道路を戻る途中で狩川(酒匂川上流)に下り、渓谷ます釣り場に立ち寄る。川に放流して釣らせるとか、いけすで毛ばりで釣らせるとか、釣りでなくバーベキューとか色々あり、家族連れも多く賑わっていた。
 大雄山駅迄戻ってから、帰路とは逆の山の方に入って大雄山・最乗寺を訪ねる。ここは曹洞宗に属し開山以来600年の歴史を持つ関東の霊場、福井の永平寺・鶴見の総持寺に次ぐ格式のあるお寺で堂塔は30に及ぶ。創建に貢献した道了という僧が、寺の完成と同時に天狗になり、身を山中に隠したと伝えられる事から、大雄山・道了尊とも呼ばれている。仁王門からの参道約3kmには樹齢500年以上の杉並木が鬱蒼と茂っている。一万本の紫陽花が植えられ、紫陽花参道とも言われる。御真殿では祈祷が行われていたが、太鼓を小刻みに打ち鳴らしかなり激しいやり方だ。
 大雄山駅に戻って帰路につく。小田急小田原線・酒匂川・JR御殿場線を次々横断し、255線を経由して国府津から西湘バイパスに入った。海岸に出ると一段と強い海風が砂を吹き飛ばして予報通りの一日だったが、足柄峠からの金時山登山は二人とも初めてだったし、富士山全景が何より素晴らしかった。