2009-01-01から1年間の記事一覧

思い起こしたい「幻の映画」

先の大戦終了間際に旧ソ連軍は不当にも、突然日ソ中立条約を破棄して南樺太に攻め込み、侵略行動を続けたのだが、電話交換嬢9人は、非常時の電話通信の重要性に鑑み最後迄職場に留まり、青酸カリ服毒自決した話は、言われれば「そんな事があったな」と微かに…

鳩山外交に募る不安

この表題は、普天間飛行場移設問題で政府方針が正式に表明された日の、翌日(16日)の朝日新聞社説の見出しである。思い起こせば、安倍内閣・麻生内閣時代に、本質的でない瑣末をしつこく取り上げては、内閣支持率の低落を必死に画策し、民主党政権誕生に貢献…

世界遺産・石見銀山遺跡(島根旅行―3)

石見銀山遺跡は、島根県大田(おおだ)市の西部に位置し、その中心となる大森町は山陰本線大田市駅から約11km南西部にある。鉱山の核は「仙の山」(537m)を中心とする、東西約2km、南北約1kmの範囲で、ここに600ヶ所以上の採掘跡がある。鉱床のタイプは二つある…

三瓶山の半縦走(島根旅行―2)

昨日三瓶温泉にある「さひめ野」(旧カンポの宿)に泊まり、夕飯の前後に温泉に2回も入って早めに寝付いたので、今朝は6時に起床した。三回目の温泉に入る。予報通り曇りだが、南向きの窓から遠くの山々が見通せるので雨にはならないと確信し、登山支度をする…

三瓶小豆原埋没林(島根旅行―1)

11月末の三連休を活用し石見銀山・三瓶山(さんべ)登山・出雲大社を中心に島根県に出かけた。20日6:30出発で中国道を西へ、三次ICで降り北上し三瓶山方面に向かう。三瓶山の北麓にある島根県立三瓶自然館の1駐車場(右下写真、背景は三瓶山)にお昼前に到着。こ…

敦賀富士・野坂岳(914m)(敦賀その1)

明日(10月24日)関西一円は高気圧に覆われ、いい登山日和と思われたので、衆議(と言っても二人)一決ちょっと遠いのだが、敦賀三山の一つ野坂岳を目指す事になった。5時起床、6時出発で宝塚ICから名神高速道路・北陸自動車道を行き、敦賀ICからJR小浜線粟野駅…

市場か、政府か、選択の時                         

政治家や経済評論家の論争をTVで聞いていて不満なのは、お互いに相手の質疑に的確に応答せず、はぐらかしたりで噛み合わない事であるが、竹中慶応大学教授・山口北海道大学教授の「市場か、政府か、今こそ選択の時」と題する討論を中央公論9月号で読み、竹中…

青嵐会という物語     

「血の政治」という書名の新刊(新潮新書)を著者・河内孝氏からご恵贈に預かった。40年も前に脚光を浴びた政治集団「青嵐会」が目指したものは何かという物語なのだが、そのテーマの一つが、極めて今日的な、「改憲と核」であり、これを中心に著者の思いの骨…

インテル・インサイド                     

「ものづくり」は我国の得意とするところとずっと言われて来たが、最近はそれにも黄信号がつくようになったようで、特にエレクトロニクス業界は、一時50%の世界シェアを持っていたのに昨今は20%以下という事実に表れているように、深刻な状況にあるようだ。…

51年前の剱岳登山行                        

映画「剱岳 点の記」を見て、大学3年の夏休みにT君と二人で行った「剱岳登山行」が大変懐かしく、出来るだけ克明にその時の行程をトレースしてみようと思い立った。山行きの立案者はT君で、私は誘われてついて行っただけであり、あのリュックは重かった、あ…

映画「剱岳・点の記」          

日本地図完成の為に命を賭けた男達の記録(新田次郎(1912〜1980)の小説「剱岳 点の記」)がこのたび映画化されたそうで、「素晴らしかった」と友達から聞いた家内に誘われ、阪急北口の映画館に出かけた。日露戦争後の明治39年、陸軍は国防の為日本地図の完成を…

真言宗豊山派大本山・護国寺             

東京都文京区にある真言宗・護国寺に私の父の墓があり、墓石は「美坂弘三の墓」となっていて、母が1958年に42歳で他界した時に父が作ったのだが、実は父の兄・翁助が「美坂家の墓」を以前から保有しており、そこが少々広かったので、その脇に離れのように作…

オバマ外交で沈没する日本                   

元NHK記者、現ハドソン研究所首席研究員・日高義樹氏の掲題の近著を要約する。氏は昨年、金融破綻以前ではあったが、オバマは落選すると言っていたわけで、見込み違いだったのだが、ワシントンで米国エリートとの交流が多く、その経験からの日本への警鐘はユ…

宿坊一泊の高野山めぐり                        

何に触発されてか、家内は6月19日(金)の晩、翌土曜の夜宿坊に泊まれるかどうか高野山の西南院に電話で聞いたようで、そしてそれがOKだったらしく、突然私も巻き込まれて同行する事になった。早朝発って名神・近畿自動車道で富田林市に行き、後は一般道で河内…

日本の技術の問題点                

今年3月日経プレミアシリーズで刊行の木村英紀著「ものつくり敗戦(匠の呪縛が日本を衰退させる)」を読み、「なるほどそういう事が言えるのかも知れないな」と感じ、ここに要旨を記す。 1. 第2の科学革命 ・元々技術と科学は無関係のものであり、技術は生きる為に道…

日本人よ、矜持を持て――その2

元外務次官・村田良平氏回想録の最終章第3節以降第9節迄の主要な部分を私なりに要約しておく。 1. 過去の日本の戦争についての評価 当時の全世界的雰囲気として、(1)欧米人は全面的に人種主義者であり、有色人種というだけで日本人は差別された。(2)明治維新…

日本人よ、矜持を持て――その1

昨年9月発刊の、元外務次官・村田良平氏回想録の最終第14章は「日本人よ、恥を知り、矜持をもて」なのだが、「かつては自尊心高き民族だった日本人が、何故かくも矜持を失ったかの根源は、60年以上前の米国の日本占領にある」という日頃からの私の思いと同じ…

教科書が教えない昭和史

文藝春秋四月号に34頁にわたる掲題の討論が掲載されているが、戦後ずっと旧日本軍糾弾の主流派だった半藤一利・秦郁彦(79・77歳)に対し、戦後生まれで予断なく近現代史を勉強して来た中堅・若手の北村稔・別宮暖朗(61・61歳)・福田和也・林思雲(49・46歳)が…

村山談話の虚構と欺瞞

昨年末からメディアで取り上げられている田母神前航空幕僚長の更迭だが、その最大の理由は、彼の論文が、政府見解となっている「村山談話」に反すると言う事らしく、私なりに復習して見た。 宮沢喜一内閣に代わって非自民の細川内閣・羽田内閣が続いた後、自社…