三瓶山の半縦走(島根旅行―2)

昨日三瓶温泉にある「さひめ野」(旧カンポの宿)に泊まり、夕飯の前後に温泉に2回も入って早めに寝付いたので、今朝は6時に起床した。三回目の温泉に入る。予報通り曇りだが、南向きの窓から遠くの山々が見通せるので雨にはならないと確信し、登山支度をする。7時半からの朝食を、少し早めにとらせてもらって出発する。下の地図の一番下にある三瓶温泉から、周回道路に沿って西の原まで約2kmを歩き、途中から黒牛のいる牧場を斜めに横切って、山裾の登山口(標高560m)に到着。9:10落葉松林の登山道に入ると小砂利の道は急傾斜になるが、落葉で敷き詰められているので歩き易い。直ぐに標高600mの標示があったので、腕時計式高度計を校正する。山の西面を北へ向かったり南へ向かったりジグザグに登る。木々の落葉もだいぶ進んでいるので、下界の池・道路・車が見通せる。900m辺りから広葉樹になり、しばらくして1000mで森林限界を過ぎ、一気に世界が広がる。傾斜は緩やかになるが山頂近くの周辺は広く、進むにつれて何日か前に降った積雪も10cm程度になっている。11:20男三瓶山山頂に到達。
 先着二組あり。北西方向には大田市街とその先の日本海が、北東には島根半島西端・日御岬辺り迄見える。天気ならその先に隠岐の島も望めるそうだ。文字通り独立峰なので、360度遠望しながら写真を撮ったりパンを食べたりしていると、これから我々が向かう女三瓶山から一人のおじさんが登って来た。聞くと、ここから子三瓶山・孫三瓶山を経て、云わば完全一周して帰るそうだ。我々はそんな大それた事は出来ないが、半周にはなるのでそろそろ女三瓶山(957m)に向けて出発(11:50)だ。下る一方と思って高を括っていたが、実際には容易でなかった。よくよく地図を見ると、300m以上下って一旦800mへ下りてから、再度157m登らなくてはならないのだ。女三瓶山から大平山へ下った後は、枯葉に埋まった山道をほぼ水平に行った後、最後の登りで孫三瓶山に向かう(以上は地図の黒線参照)。登りで喘いでいると上から下りて来る人がいる。何と「男」山頂ですれ違ったおじさんではないか。「男」から「子」へは殆ど平地へ一旦下りてからの改めての登りであり、東の原から登って東の原に戻る文字通りの一周縦走で、地図で見る以上の難行だ。お互いにご無事を祈る。我々も最後の「孫」への登りを達してやれやれと思ったのだが、最後の下りも400mの急降下であり、膝をかばいつつなので標準タイムの倍の一時間以上がかかってしまった。最終的に、昨夜宿泊し車を駐車場に置かせてもらった「さひめ野」に帰還したのは16時だった。お願いして温泉に入らせてもらう。これで通算4回目だ。さっぱりして今夜の宿のあるJR大田市駅付近に向かう。観光旅館はどこも満員で予約出来ずビジネスホテルだが、どうせ寝るだけだからこれで良しとする。