2007-01-01から1年間の記事一覧

あぶくま洞                             

何故そんな旅になったかは長くなるので省略し、福島県田村市滝根エリアにある「あぶくま洞」見学につき記す。常磐線いわき駅発8:43の磐越東線郡山行に乗る。それは2両のディーゼル車で、短いトンネルの多い単線軌道をくねくね曲がり磐城街道を右に見たり左に…

強制された死か、個人の尊厳か             

今日(2007.12.22)の朝刊によると、「沖縄ノート」訴訟結審と題し、先の大戦末期の沖縄戦で住民に集団自決を命じたとする、誤った本の記述で名誉を傷つけられたとして、当時の守備隊長らが大江健三郎氏と岩波書店に出版差し止めを求めた訴訟(2005.8.5提訴)は21日…

国立新美術館                       

六本木にあった東大生産技術研究所が駒場に移転したその跡地に、黒川紀章によって設計された掲題美術館(写真上1)が昨年完工しオープンしたのだが、やっと先日訪ねる機会が出来た。この辺りの変化は劇的で、昔の地図を出して来て今(写真2)昔(写真3)を比較して見…

竹中平蔵氏の講演         

12月13日「関西経済人・エコノミスト会議」総会がリーガロイヤルホテルで開催されたが、竹中さんの一時間弱の講演を聴講した。発言をそのまま要約すると下記のとおりだが、意気軒昂で明快だった。小泉・竹中チームが更に5年続いてもらいたかった。 (1) 外国…

福島県田村郡滝根町菅谷国民学校          

福島県いわき市での所用が終わり翌日が休日であった為、磐越東線(いわき-郡山)に乗って神俣駅迄行き、途中下車して掲題の学校を訪ねた後、同駅から郡山に出て、駅前からバスで福島空港に行き空路伊丹に戻るという計画を立てた。国民学校2年生だった私が終戦…

鈴鹿山脈北部・霊仙山(リョウゼンサン)                

明日(11月24日(土))は快晴との予報なので以前から「いつか行かねば」と期していた霊仙山登山を決行する事となった。早朝5時半に自宅を家内の運転で出発、宝塚ICから名神を走り米原ICから国道21号を関が原方向に向かい、醒ヶ井駅前の交差点を右折して南下、以…

9 国民投票法の成立を喜ぶ

日本国憲法の改正手続に関する法律、いわゆる国民投票法が二〇〇七年四月衆議院で、翌月参議院で可決成立し公布されたが、本法は三年後の二〇一〇年五月一八日に施行される。憲法改正の為には『各議院の総議員の三分の二以上の賛成で国会がこれを発議し、国…

調教タイム自動計測装置ALISの開発         

今から20年も前になろうか、住友金属システム事業部時代に子会社のスミセックと共に掲題の開発を行った事がある。このアイデアを長い間暖めていた京都の某ベンチャー企業の社長Y氏の仲介で、日本中央競馬会(JRA:Japan Racing Association)から開発を依頼されたものである。顧…

カラマーゾフの兄弟                  

新訳「カラマーゾフの兄弟」(訳者は東京外国語大学教授・亀山郁夫氏、光文社古典新訳文庫から昨年9月第1巻が出版され、今年7月全5巻が完結) が、ある日の新聞広告で大々的に宣伝されているのに気づき、その昔、読み出したが直ぐ放り出した記憶もあって大変興…

大衆的世論による自民大敗              

参院選に於ける自民党大敗をもたらした逆風は佐伯京大教授によれば三つあった(9月1日産経新聞)。最初の二つは、(1)年金記録紛失問題や閣僚の失態に対して情緒的で流動的に反応する「大衆的世論」、(2)憲法改正論や教育改革論を回避して問題を年金記録に矮小…

日本ほど格差のない国はない              

都市と地方の格差是正・農業の戸別所得補償・子育て支援充実などを訴えた民主党が参院選に大勝したのを受け、危機感からか与党内でも「格差問題を重視すべし」という声が大きくなって来ているようだが、「日本ほど格差のない国はありません!」という本にも同…

8 教育再生法案の成立を喜ぶ      

平成十八年十二月二十二日に公布された「改正教育基本法(十八条)」に引き続いて、今年十九年六月二十日参議院本会議で「教育再生三法案」が可決され成立した。これこそ安倍内閣の掲げる「戦後体制からの脱却」への大きな一歩であり、戦後一年半という早い時…

国際情勢の変動と日本の進路         

恒例の大阪倶楽部定例午餐会で京大教授中西輝政氏の掲題の講演があった。その要旨を記す。 1) 安倍さんは教育基本法の改正と防衛庁の省への格上げを実現させ、永年の懸案をあっと言う間に解決した。その後、集団的自衛権の行使可能化をリードしたり、憲法改…

米中覇権競争と日本の対応                      

大阪倶楽部定例午餐会における片岡鉄哉氏(スタンフォード大学フーバー研究所、元上席研究員)の掲題の講演(副題は核の傘に頼る危険を考える)の要点は以下のとおり。 (1) 今首相官邸では、「集団的自衛権」の議論をしている。一つの具体例は「どこかの国(例え…

由良ガ岳                  

舞鶴市と宮津市の境、由良川河口の西にあり、日本海(若狭湾の西端)に面して、別名丹後富士とも呼ばれる丹後の名峰が由良ガ岳(640m)である。舞鶴若狭自動車道を北上し、舞鶴西ICで降りてから北近畿タンゴ鉄道(KTR)に沿って行き、日本海に出た所が「丹後由良」…

丹波焼鑑賞付・温泉付軽登山             

虚空蔵山という名の山は各地にありそうだが、丹波のそれは福知山線藍本駅から西に1kmにある、舞鶴若狭自動車道藍本トンネルの西500mにある虚空蔵山(596m)だ。平成6年4月に初めて行った事があるので今回は2回目。低山だが展望がよく個性的な丹波の名山と言わ…

近衛文麿、黙して死す  [木戸幸一その4]    

工藤美代子氏の著書「われ巣鴨に出頭せず」では、木戸幸一についての疑念がかなり表現されていたのだが、これを徹底して糾弾したのが本年3月草思社から刊行された掲題の鳥居民氏の著書である。『誰が近衛を殺したのか、木戸・ノーマン・都留は何を隠蔽したの…

7 ペリー来航と開港開国

猪口孝教授によれば、その後に大きな影響をもたらした日本の対外関係重要事件を挙げると、元寇・鉄砲伝来・ペリーの来航・先の敗戦と米軍占領の四つだそうだが、数年前から近現代史復習を心がけている私にとっても、ペリーの来航は最大の関心事であり、最良…

われ巣鴨に出頭せず(2) [木戸幸一その3]

1941年9月6日の運命の御前会議の後、近衛首相は退陣し、木戸の上奏により10月18日東條内閣が発足した。天皇の意を汲み東條は対米交渉にそれなりに努力はしたが、所詮は時間切れであり、12月6日の真珠湾攻撃となって行った。緒戦の勝利が長続きする筈はなく、…

われ巣鴨に出頭せず(1)  [木戸幸一 その2]      

平成18年7月18日の日経新聞夕刊に大変興味深い記事があったのだが、戦争責任を考える上で重要な情報なのでここに紹介する。「H.ノーマン」に続く「その2」である。「近衛文麿の尋問記録、英国で発見」「敗戦は必至、軍の暴走に苦悩」などの見出しの後、以下…

H.ノーマン:スパイと言われた外交官 [木戸幸一その1] 

対米戦争の開戦責任に関する論議は終戦当初から有り60年経ってもなお続いている。それは私の現代史復習のテーマの一つでもあり、以前に『日米開戦と近衛文麿の責任』を書き、「軍部の責任ももちろん大きいが、日本を破滅に導いた最大の責任者は近衛文麿であ…

帰って来い! 「はやぶさ」                

丁度一年半前に『頑張れ、小惑星探査機「はやぶさ」』を書きましたが、それは小惑星イトカワへのタッチダウン(着陸・試料採取)が何回か試みられている時であった。その後に再生された各種データを用いての解析によれば、第一回目は降下中に障害物を検出した…

垂直磁気記録方式ハードディスク装置(HDD)

第53回大河内記念生産特賞には住金の「新しい製鋼プロセスの開発」と島精機の「無縫製の横編機の開発」が選ばれたが、今回の贈賞式で私が特に興味を持ったのは、東芝・日立両社の受賞業績である。共に掲題の装置の開発なのだが、東芝の受賞業績は「…の装置の…

第53回大河内記念生産特賞                

第53回(平成18年度)の大河内賞贈賞式が今年3月日本工業倶楽部会館(東京丸の内)で行われたが、今回は住友金属工業(株)も表彰されるようだし、友の会会員(大河内賞受賞経験者で贈賞式の陪席を許される)の一人として初めて参加した。住金の受賞対象技術は和歌山…

福寿草の藤原岳                  

春に行きたい山の定番は「福寿草が満開の藤原岳(1171m)」と言われているそうで、以前から家内の勧誘を受けてはいたものの、標高差1000mは昨今私には容易ならざる高さでありやや逡巡していたのだが、明日は好天のようだし、今から老い込んではならじとわが身…

人間魚雷「回天」                     

3月中旬の日曜の周南カントリーでの懇親ゴルフに参加するのだが、前日の午後を現代史復習に当てるべく土曜日から出発して徳山に向かう。駅前すぐのところに徳山港があり、巡航高速船に乗って南西10kmに浮かぶ細長い大津島に向かう。目指すは人間魚雷「回天」…

幼稚な朝日新聞(その2)

情報収集衛星の打ち上げ翌日の朝日新聞は、その成功を報じた後に、解説記事を載せたが、私に言わせれば大変腹の立つ文章だった。以下にまず全文を転記し、皆さんの注意を喚起したい。 解説――劣る性能 見えぬ意義 (改行毎の番号は私が振った) (1)4基目の情報…

プーチン・ロシアと北方四島返還            

北方領土の日である2月7日が、残念ながらメディアに取り上げられる事なく、今年も過ぎてしまったが、拓殖大学教授・木村汎氏の講演の要旨を記し、心ある方々の記憶を喚起したい。 (1)最初に「何故ロシアは重要なのか」だが、(a)米国と殆ど同じ3000発の核弾頭…

幼稚な朝日新聞社説             

今年2月18日の朝日新聞朝刊社説は、失われた世代に支援を、を見出しとする『格差是正』論であったが、大新聞の社説とはとても思えない幼稚な作文だった。敢えて全文を転記し皆さんの点検をお願いする。納得の上で一日も早く朝日から脱却されん事をお勧めした…

6 日中首脳会談あれこれ

電撃的な安倍首相の中国訪問は昨年十月八日だったが、「戦略的互恵関係」という、これまでの「失われた」五年間を忘れさせるような言葉に、中国側が即座に応じるところまで交渉は熟していたようで、それには水面下で早くから関係者が動いていたようだし、何…