鈴鹿山脈北部・霊仙山(リョウゼンサン)                

明日(11月24日(土))は快晴との予報なので以前から「いつか行かねば」と期していた霊仙山登山を決行する事となった。早朝5時半に自宅を家内の運転で出発、宝塚ICから名神を走り米原ICから国道21号を関が原方向に向かい、醒ヶ井駅前の交差点を右折して南下、以前会社の慰安旅行で行った事のある養鱒場(ここには霊仙山からの清水を利用した多数の飼育池があり100年の歴史がある)を過ぎて林道を行くと、登山口(5つある登山道の中の一つ・表登山道で頂上迄4km)に到着。10台程度の車の駐車が可能な広場だが、我々は2台目だ。これから頂上までの標高差は700mであり、昨今では我々の限界に近いので、膝サポーターをしっかり締めてのスタートは丁度8時だった。過疎化無人集落となった廃村の榑(クレ)ヶ畑(壬申の乱に敗れた皇子が家臣と共に住み着いたとの伝説がある)を抜け、約30分で尾根に出た所が2合目汗拭き峠だ。山道は枯葉が敷き詰められ常緑樹の中に紅葉黄葉が混じり、そして木々の間から覗けるのは秋の青空、久しぶりの絶好の登山日和だ。しばらく行くといつ降ったのか枯葉が雪で蔽われるようになり、登りもきつくなったので、簡易アイゼンを付ける事とする。5合目の見晴台(770m)を過ぎ、お猿岩に来ると風が無いので靄ってはいたが琵琶湖が展望出来、彦根・長浜の市街が見えた。8合目はお虎が池(小さな水溜り)で鳥居がある。そして総称して霊仙山となる経塚山(1040m)・最高峰(1094m)・三角点のある峰(1084m)が左から順に並んで見え、ここからはなだらかな斜面となり、且つカルスト地形の山特有のカレンフェルト・ドリーネが点在する。(石灰岩地域が雨水・地下水によって溶解して生じた特殊な地形を、これが多いスロベニア北西部のカルスト地方にちなんで、カルスト地形と言い、岩柱の林立した地形をカレンフェルト、すり鉢状の穴をドリーネと言う) 経塚山を経由して深い熊笹の道をそして50cmもの雪を踏みながら30分程で最高点に到達した。11時50分。登山案内にある休憩込みの所要時間は2時間50分なので一時間オーバー(約30%)、まずまずだ。鈴鹿山脈の最北端に位置する霊仙山は名神高速道路・東海道本線東海道新幹線を挟んで15km北の伊吹山と対峙し、のびやかな堂々たる山容を誇っており、山の歴史は古く白鳳年間に霊仙三蔵が開基したと言われている。これ以上はあり得ないと思われる無風快晴の山頂からの360°の展望は素晴らしく、筆舌に尽くし難いので伊吹山(微かに見えるでしょう?)を背景に撮った写真から想像して頂きたい。追い抜かされた感じから、今日は10組30人程度の登山者があったと推定するが、ここ最高点には今男3人女4人組みが持参した野菜などで鍋物を作っているようだ。こちらは下りも時間が掛かるので30分の頂上滞在で12:20下山を開始した。13:50見晴台に戻ったが依然として無風好天、お陰で雪解け道はべとべと、滑らぬように両手の杖で注意深く下り15:00に登山口に戻った。この山は福寿草の群生でも有名で又3月に来たいものだが、今日はもと来た道を米原迄戻ってから少し北に行き今夜の泊まりの長浜ロイヤルホテルに向かった。到着は琵琶湖西の山々に夕日が丁度落ちる時だった。