2004-01-01から1年間の記事一覧

高千穂峰再挑戦                         

H14年正月の鹿児島新春登山旅行では、開聞岳の登頂には成功したものの高千穂峰は「吹雪の為お鉢を目前にして引き返した」ので、早めに決着をつけておこうと先日再挑戦する事にした。 12月3日夜鹿児島に飛び鹿児島空港ホテルで一泊した翌日だが、台湾まで行っ…

脳活動の画像計測法                             

(財)大河内記念会から日立製作所基礎研究所見学の案内をもらい、それは昨年度10件の大河内賞の中での最高賞の講演・見学会であったので、何をおいても出掛ける事とした。大河内記念賞「近赤外光を用いた脳活動の画像計測法[光トポグラフィの開発と実用化]」…

江戸末期輸入の鍛造機                          

JR横須賀駅を降りたら直ぐ前が軍港と聞いていたので、久里浜ペリー公園見学からの帰りに立ち寄ってみた。臨海公園に立ってみると、右手の対岸に真っ黒な潜水艦が数隻、左手やや遠方には灰色の船艦がこれも数隻停泊していたが、いずれも海上自衛隊であり、米…

胡錦涛への登小平の遺言                        

1992年6月胡錦涛を自宅に呼び中国統治の要諦を伝えたとされる逸話を纏め、2003年香港で出版された原題「遺嘱(遺言)」の最終章の邦訳コピーを入手したが、以下がその要約である。 まず(1)勝g小平は現在の政治体制に非常に不満で、最も欠けているのは「民主…

足立美術館――名園と名画                 

船上山のハイキングが予想以上の軽〃登山で、正午過ぎに下山出来たので、足立美術館を見て帰ろうと言う事になった。日本海に出て国道9号線を西に向かい、皆生温泉・米子市・安来市から飯梨川を上がって行くと水田が広がり、こんな所に美術館とは、と思っていると…

後醍醐天皇と船上山(センジョウサン)

朝日ビジュアルシリーズ(花の百名山)の最近号は「大山・船上山・氷ノ山・比婆山」だが、その中で初めての船上山に足のトレーニングを兼ねて行ってみる事にする。ちょっと遠いので金曜の夕刻出発し、中国自動車道の落合ICから米子自動車道に入り蒜山(ヒルゼン)SA迄来て、ワ…

上海一瞥                      

九州屋久島から真西830kmに上海はあり、関空から浦東(Pudong)国際空港迄は2時間強という近距離なのだが、今回始めて行く機会があり、周辺の工業団地を駆け足で訪ねた。週末上海の中心にある「花園飯店」に2泊し、ざっと市内を一巡りした後最後はリニアー…

大雪山を歩く(その4 十勝岳と後藤美術館)      

今日9月21日は最終日である。旭岳ロープウェイ駅のすぐそばの、本格派山岳リゾートといううたい文句の、温泉の水量豊富なホテルという事なので、今朝はゆっくりと朝風呂に漬かって、8:00に出発。十勝岳の近くに行き、そのあと後藤美術館を訪ねて千歳空港に帰…

大雪山を歩く(その3 旭岳登頂)            

9月20日(月)、オープンと同時にバイキング朝食をとり、昨日頼んでおいた昼食用弁当を受け取って、すぐ近くのロープウェイ駅(標高1100m)に急ぐ。このロープウェイは1968年の営業開始なのだが、1998年から2年がかりで大改装されて100人乗りのゴンドラとな…

大雪山を歩く(その2 大雪高原温泉紅葉沼めぐり)     

昨夜の予報では今朝(9/19)は雨との事だったので、ゆっくり起床。夜来の雨はとりあえず止んでいるので、当初予定の緑岳登山(2020m:幕末蝦夷地の探検を行なった松浦武四郎に因んで松浦岳とも)は無理としても、高原の沼めぐりは可能と思われ、ぬかるみを覚…

大雪山を歩く(その1 黒岳7合目の紅葉)           

大雪山の紅葉めぐりを主眼に昨秋北海道旅行をされた知人から「素晴らしかったけれど、9月末日では少々遅かった」と聞いていたが、今年は9月18日から三連休だし、あわよくば北海道最高峰の旭岳登頂も可能かと、17日(金)の19:00関空発で千歳に向かった。同行…

信州・小布施「北斎館」               

上信越自動車道の長野ICから北へ二つ目の信州中野ICで降りて、約十五分、千曲川東側の小布施町に小布施堂界隈という一角があり、そこに「北斎館」がある。栗菓子の小布施堂が界隈の中心にあるのだが、この地は古くから栗の郷、一説によれば城主が今から六百…

超音波内視鏡                           

人間ドックでの腹部超音波検査で毎回「左腎嚢胞」「胆嚢ポリープ」要経過観察、と出てくるのだが、この度、機会があって超音波内視鏡検査と造影MRI検査を経験した。MRIは痛くも痒くもないが、前者は胃の中を見るだけの単純内視鏡と違って先端に超音波…

樽前山外輪からの溶岩ドーム                

8月20日(金)の札幌での会議の翌日、台風が過ぎて好天が見込まれたので、何の準備も無かったが樽前山に行って見る事にした。札幌駅前9:55発の路線バスで約50kmの支笏湖へ。「支笏湖温泉」(標高250m)に11:20着。直ぐそばの「ちとせ交…

日本の戦後は終わっていない              

上坂冬子氏の「北方領土に本籍を移して」と題する講演を聴いた後「北方領土上陸記」(文芸春秋 2003)なる著書を読んだ。ワシントンタイムス記者・戸丸広安氏の「知られざる北方領土秘史」も併せて、北方四島に関する私見を纏めてみる。四島のソ連不当占拠を…

樺太は日本固有の領土?                     

「日露領土紛争の根源」というユニークな書(長瀬隆著、草思社、2003年)によると、「樺太の南半分は日露戦争の勝利でロシアから獲得したものの、第二次世界大戦の結果ソ連に返還された」事になっているが、そうではなくそれは本来日本領土だったというのだ…

立派な教科書            

同業(工業ガス)の米国P社M氏から先日思いも寄らぬそして大変興味深い贈物を頂戴した。AISE Steel Foundation 1999年発行の The Making, Shaping and Treating of Steel (MSTS)--第2分冊[Steelmaking and Refining Volume]という767頁の大冊である。M…

新しい時代の脅威と我国の安全保障          

帝京大学教授志方俊之氏による掲題の講演会の要旨は次の通り。 氏は'36生まれ、防衛大・京大卆、米陸軍工兵学校留学後米陸軍戦略大学国際研究員など40歳まで勉強し、その後陸上自衛隊に入り最後は北部方面総監となって'92退官、’94より現職。 我国の存立の条…

「えっ、帯状疱疹?」                

数日前からの腹部の鈍痛が時にきりきりと痛むようになり、土日も収まらないので、7月12日(月)朝住友病院内科の初診を申し込む。一方同じ頃からの左腰周辺の汗疹がかなりひどくなったので、ついでにと思って皮膚科に行くと、そちらは直ぐ診てくれて、診断は…

三角縁神獣鏡                             

5月の中旬頃のいくつかの新聞に「三角縁神獣鏡」の事が出ていたのをご記憶でしょうか。見出しを列記すると以下のようである。「卑弥呼の鏡は中国製?」「製作地論争に一石」「深まる古代史の謎」「邪馬台国所在地論争に波紋」「Spring-8威力発揮」「強力X線…

ポーツマス会議の人々                    

今年は日露戦争開戦100年と言う事で、新聞雑誌に紹介される回顧記事が多くなって来たが、私も昨年秋刊行の「日露戦争100年――新しい発見を求めて」(松村正義著、成文社)を参考に、開戦直後に金子男爵を米国に派遣して対日友好ムードの醸成を図り、米国によ…

Weehawkenの慰霊碑に思う               

5月23日(日)、前日泊まったニューヨークミッドタウンのKITANOHotelを朝9時に知人の運転で出発して、今までは中々行けなかった郊外を回るつもりでまずニュージャージーへ。リンカーントンネルを通ってハドソン河沿いを行くと高台の閑静な住宅街となり、小さな…

小遠見山からの雪山展望                    

4月30日を休暇として、28日夜家内運転のVOLVOワゴンで出発、白馬五竜に向かう。中央道の恵那峡SAで二時間程の仮眠の後、長野道の豊科ICで高速道を降り、糸魚川街道をしばらく行って松川村「道の駅」駐車場で車中泊。7時起床で更に糸魚川街道を北上し、JR大糸…

丹後半島の「タラの芽」             

4月18日(日)朝6:00いつものように家内の運転で出発、宝塚ICから中国道・舞鶴若狭道を行き、綾部JCTから綾部宮津道に入り宮津天橋立ICで普通道に降りる。丹後半島の付け根を横断して日本海に出る直前で山地に向かうと、しばらくして目指す「依遅ガ尾山」(イチガ…

ヒカゲツツジの向山連山(丹波・多紀アルプス西端)         

「中高年向きの山100コース」とか「山あるき100選」「関西百名山」などなどガイドブックはこの頃数え切れない程書店に並んでいるが、今日(4月10日)はそのどれにも載っていなくて、大阪駅前の山の店「石井スポーツ(株)」のチラシにあった「向山連山」を目指す…

高御位山(タカミクラヤマ)                

地図で見ると姫路市役所から東に15km、加古川河口から北に同じく15kmの東播磨丘陵地(姫路市・高砂市・加古川市の市境)に高御位山はある。江戸期の「播磨名所巡覧図会」には、高御位山は高座(タカミクラ)明神の坐す山と書かれていて、山上には名石が多く、太古…

着実に進む台湾人の台湾           

平成5年6月の一週間ほど、日本の各分野の技術者の一人として台湾を訪れた事があり、その際団体で、日本語ぺらぺらの李登輝総統にお目にかかり、「日本の政治家より日本の新聞雑誌をよく読んでいるよ」と溌剌と話す総統を間近にし、最後に握手をしてもらった…

司馬遼太郎記念館                  

「3ヶ月で来館者3万人突破」という一年前の切り抜き新聞記事にある所在地(東大阪市)を頼りに、一昨年の11月にオープンした司馬遼太郎記念館を訪ねました。未亡人が居られる自宅の書斎は、未刊に終わった「街道をゆく:濃尾参州記」の執筆中の状態のままで…

占領時代の呪縛                   

現在の我国社会の国家観の無さ、自虐史観充満の情けなさはどこから来るのかを探るべく、近現代史を読み直そうと一念発起してから一年半が経ちましたが、参考になる教科書は以下のとおりでした。通史としては、中央公論新社「日本の近代」の第一巻から六巻ま…

対論−日本とアメリカ                  

掲題の書名は、長い間日本外交の中枢にあり、退官後も活躍中の碩学岡崎久彦氏と、20才若い阿川尚之氏との対談書(廣済堂出版 2002)であるが、その第六章:占領時代と東京裁判を考える、は私の今の読書の中心テーマでもあり、以下にその章の要点を記す。現代…