講演聴講

竹中平蔵氏の講演         

12月13日「関西経済人・エコノミスト会議」総会がリーガロイヤルホテルで開催されたが、竹中さんの一時間弱の講演を聴講した。発言をそのまま要約すると下記のとおりだが、意気軒昂で明快だった。小泉・竹中チームが更に5年続いてもらいたかった。 (1) 外国…

国際情勢の変動と日本の進路         

恒例の大阪倶楽部定例午餐会で京大教授中西輝政氏の掲題の講演があった。その要旨を記す。 1) 安倍さんは教育基本法の改正と防衛庁の省への格上げを実現させ、永年の懸案をあっと言う間に解決した。その後、集団的自衛権の行使可能化をリードしたり、憲法改…

米中覇権競争と日本の対応                      

大阪倶楽部定例午餐会における片岡鉄哉氏(スタンフォード大学フーバー研究所、元上席研究員)の掲題の講演(副題は核の傘に頼る危険を考える)の要点は以下のとおり。 (1) 今首相官邸では、「集団的自衛権」の議論をしている。一つの具体例は「どこかの国(例え…

新しい年の世界と日本        

一年ぶりに産経新聞ワシントン駐在の古森義久氏の掲題の講演を聞いた。要旨は下記の通り。 1. 丁度阪神大震災12周年の日で、その思い出から話が始められた。氏はワシントンでCNNにより惨事を知ったそうだが、こんな混乱状態にも拘わらず人々が整然と助け合っ…

これからの日本の政治経済          

国際エコノミスト・白鴎大学教授今井澂氏の掲題の講演概要は以下のとおり。 1)今年7月のテポドン発射は小泉訪米中に起こったが、安倍官房長官の采配は水際立ったもので、国連安保理事会の制裁決議まで持って行けたのは大成功だったし、ブッシュの安倍評価は…

21世紀型企業が日本に生まれるか          

早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授・野口悠紀雄氏の「日本経済のゆくえ」と題する講演があった。世上よく景気回復が確実になったと言われるが、本物でない、という事であった。 (1) 景気の現状:原料と素材産業に偏った景気回復である。リストラ努力が…

安倍内閣人事評                

閣僚人事が発表された翌日、元細川総理特別補佐・元経済企画庁長官・現在福山大学教授田中秀征氏の講演会があり、氏は宮沢元総理の側近でもあって、気に入らない発言が多く今回も期待はあまりしなかったが、予想外に安倍人事を高く評価していたので、以下に…

中国の国家戦略と日本                  

元防衛庁・防衛研究所・研究室長で元杏林大学教授、中国問題の権威である平松茂雄氏の掲題の講演を以下に要約する。結論は『中国は建国以来の50年間に、米国や旧ソ連などの大国と対等に発言できる地位の確立を目指して、まず核ミサイル兵器を開発し、次いで…

我国のあるべき対中スタンス             

大阪倶楽部での先日の講演はハドソン研究所首席研究員の日高義樹氏による「中国問題」であったが、要は「米中対決が避けられなくなっているのに能天気な日本が危うい」という事だった。講演内容のみならず昨今のメディアの関連情報を参考に、まず米国の対中…

リチャード・クーの経済談義       

財政出動を何回やっても景気回復せず赤字だけ残るばかりで、大勢は公共投資削減の小泉改革賛成に回ったのにも拘わらず、依然として財政出動を言い続けた為、さっぱりメディアから声が掛からなくなったクー氏の講演を初めて聴講したが、得意のバランスシート不況論を展…

小泉圧勝と自民退潮                    

選挙結果についての評論の中から二件を紹介したい。一つは大阪倶楽部午餐会での政治ジャーナリスト河崎曽一郎氏の「小泉圧勝、政局と民意」と題する講演。(1)言わば基礎票としては、自民200、公明30、民主140、社共20、その他10、残りが80で衆院定員480とな…

戦後60年を考える――団塊の世代から――            

京都大学大学院教授佐伯啓思氏の掲題の講演会を聴講した。氏は1949年生まれ、「経済学・ヨーロッパ思想史を軸に、現代社会の構造とそのイデオロギーの研究」を専門とする学者で、一番若い団塊の世代である。この年代は戦争の記憶もあり貧しさも知りながら戦…

小泉政権の行方                      

大阪倶楽部の水曜定例午餐会で、毎日新聞特別顧問・政治評論家岩見隆夫氏の講演があった。演題は『小泉政権の行方』であり要旨は以下の通り。 (1) 衆議院の解散について複数の調査機関の世論調査で、解散歓迎が50%あり、小泉首相支持が解散後にいずれも数%上…

小泉政治採点                            

先日大阪倶楽部の定例午餐会で、元経企庁長官・現福山大学教授・田中秀征氏の講演を聴いたが、小泉首相とは頻繁にやりとりがあるようで、演題は「最近の政治と経済」だったのだが、実際の話は掲題であった。道路公団改革の結末がかなりいいかげんで悪評だっ…

新しい時代の脅威と我国の安全保障          

帝京大学教授志方俊之氏による掲題の講演会の要旨は次の通り。 氏は'36生まれ、防衛大・京大卆、米陸軍工兵学校留学後米陸軍戦略大学国際研究員など40歳まで勉強し、その後陸上自衛隊に入り最後は北部方面総監となって'92退官、’94より現職。 我国の存立の条…

五百旗頭(いおきべ)教授講演要旨

神戸大学法学部教授 五百旗頭真氏の「イラク・北朝鮮・アメリカ」と題する講演会が8月6日大阪倶楽部で開催された。同感する所が多く、断片的だが要旨をまとめておく。1)戦後日本の研究を続けて来て、吉田茂賞を受賞した「戦後日本外交史」を1999年に出版…