小遠見山からの雪山展望                    

  
4月30日を休暇として、28日夜家内運転のVOLVOワゴンで出発、白馬五竜に向かう。中央道の恵那峡SAで二時間程の仮眠の後、長野道の豊科ICで高速道を降り、糸魚川街道をしばらく行って松川村「道の駅」駐車場で車中泊。7時起床で更に糸魚川街道を北上し、JR大糸線神城駅手前を左折すると、ゴンドラ(白馬五竜テレキャビン)出発駅に到着。8:30始発に乗り8分でアルプス平駅(標高1515m)着、一面銀世界が眼前に広がる。
アイゼンをつけて9:00スタート。スキーやスノーボードの若者で溢れたゲレンデの隅を登り、地蔵ケルンのある「地蔵の頭」(1676m)に立つと一挙に視界が開け、目指す小遠見山(2007m)が遥かに望める。あと330mの標高差なら大丈夫と自らに言い聞かせて、一歩一歩ジグザグに進むが、若者のグループが何組もいて30kgのリュックを背負って直登して行く。彼らは小遠見山から中遠見・大遠見・西遠見・白岳を経て、五竜鹿島槍を目指すのだろうが、我らはその入口に立ったら引き返すわけだから、右手の八方尾根、その背景の白馬三山を眺めながら、急がずにしかしもちろん喘ぎつつ進む。11:45に目的地に到着。初めて鹿島槍(2889)が姿を現した。360度の雄大な雪山展望点であり、あらためて記すと鹿島槍から順に、五竜・唐松・白馬鑓ヶ岳・杓子岳・白馬岳が眼前に堂々とあり、振り返れば遠く雨飾山妙高山まで見えたが、遠望が利く場合は浅間・八ヶ岳まで望める、という。
 小休止の後次々と先へ進むべく出発するグループもあれば、写真のシャッターを押してくれた中年さんは、しばらく前進してから雪洞を堀り今夜はそこに一泊するそうな。朝日に輝く五竜岳の撮影が今回の目的との事。それぞれ独自の狙いを持つてやって来ているんだなと感心しながら、我々は12:30に下山開始。初夏の陽射し、かすかな微風の中、青空に映えて連なる雪山を望みつつ、一方雪道の足跡を一歩一歩確かめながらの下山だが、踏み外すとズブズブーと膝まで沈んでしまって冷や汗が出る。それでも登りの半分の時間でスタートのゴンドラ駅に無事帰還した。一昨日予約した白馬東急ホテルに向かう。ここは白馬三山を見上げるような位置にあり、しかも今日はまだ日が高い中の到着で、連休の目玉は予定通り成功裏に終了した事になる。明日は一転Marc Chagall鑑賞にラフォーレ白馬美術館を訪ねる予定だ。