丹後半島の「タラの芽」             

 
4月18日(日)朝6:00いつものように家内の運転で出発、宝塚ICから中国道舞鶴若狭道を行き、綾部JCTから綾部宮津道に入り宮津天橋立ICで普通道に降りる。丹後半島の付け根を横断して日本海に出る直前で山地に向かうと、しばらくして目指す「依遅ガ尾山」(イチガオヤマ)登山口(標高180m)に着く。ここまで約二時間半。わずか540mに過ぎないのだが、丹後半島の先端に位置して急傾斜のまま日本海に落ち込んでおり、周囲に高い山がない為遠くからもその特異な山容が望まれる関西百名山の一つ。この地域は対馬暖流の影響を受けていて、北国の割に常緑広葉樹が多く、かし・しい・つばきなどが茂る樹林の中をジグザグを描きながら一気に高度をかせぎ、約一時間二十分で頂上に立つ。春霞で日本海の遠望は利かないが近くには白い小漁船が何隻も見える。振り返って南は幾重もの山並みの一番奥が鬼退治伝説の大江山のようだ。写真はこの時のものだが、残念ながら大江山は見えない。眼下の道路わきに車が置いてある。
11:00発で下山としたが、しばらくして山道のわきの藪の中に立派な楤の芽を見つける。子供達の小さかった頃には宝塚の我家の近くで面白いようにいくつも採れたのだが、最近は全くお目にかかれなくなっていたものだから、藪をかき分けながら10ヶ程もぎ取る。更に下ると今度は生きのいい太目の蕨の群落が見つかりあっと言う間にビニール袋一杯になった。当然ながら今夜はもぎたての山菜てんぷらだ。
今回は初級登山の為正午過ぎに終了したので、初めての丹後半島を一周して帰る事にする。まず、「古代の里資料館」に入る。丹後は縄文遺跡が多く又全長190mの前方後円墳など日本海側最大規模の古墳があるとある。最近はどこの町に行ってもこの種の歴史博物館があり、大変いい事だ。日本海に出るとまず屏風岩、次に丹後松島が望め、宇川温泉・よし野の里に到着。丹後町を含めて六町が合併し、この四月から京都府京丹後市」となったのを祝って、しばらくの間入浴料を200円値下げして400円とある。初夏の軟らかい陽射しが注ぐ広々とした露天風呂から、穏やかな広々とした日本海を望んでさっぱりした後、ドライブを再開。半島先端の、明治31年初点灯の灯台がある経ヶ岬をぐるっと回って、宮津湾に帰って来る。天橋立の松林を望みながら、宮津天橋立ICから帰路につく。丹後半島迄行って登山をし、温泉につかって日帰り出来るなどとても今までは考えられなかったのだが、これも高速道路のお蔭である。明るい中の夕食の山菜てんぷらも、久しぶりの美味であった。