大雪山を歩く(その1 黒岳7合目の紅葉)           

大雪山の紅葉めぐりを主眼に昨秋北海道旅行をされた知人から「素晴らしかったけれど、9月末日では少々遅かった」と聞いていたが、今年は9月18日から三連休だし、あわよくば北海道最高峰の旭岳登頂も可能かと、17日(金)の19:00関空発で千歳に向かった。同行する娘は羽田からの参加。その夜は空港ビル内のホテルに泊り、翌早朝レンタカーで札幌・旭川迄高速道を行き、そこから39号線で層雲峡に向かう。途中、上川町の道の駅で昼食休憩をしたが、ラーメン・ゆでトウモロコシ・トマトジュース・赤肉メロンなどなどおいしそうな地元産品が並んでいる。
早い時刻に層雲峡温泉に到着したので、家内と私は今回で二回目だが、早速ロープウェイとリフトを乗り継いで黒岳の斜面を上がってみる。最初のうちは常緑樹の中に黄葉が混じる程度だったが、終点7合目の展望台(標高1500m)迄来ると鮮やかな紅と黄の混在が見事である。下に添付したのは古いアナログカメラの写真をスキャナーで取り込んだもの。身支度をして大きなリュックを背負い直して一人で正に登山開始の雰囲気の青年に聞いてみると「今日は黒岳頂上でテントを張りますが、十勝岳までの予定です」との事でこちらはびっくり仰天。その晩地図で調べてみると、ルートは黒岳・北海岳・白雲岳・忠別岳トムラウシ山オプタテシケ山美瑛岳十勝岳忠別岳は少々足りないが他はすべて2000mを越える)の筈で、アップダウンを無視して地図上の距離だけでも50kmあり、丁度半分行程の黒岳〜トムラウシの表大雪縦走でも3日がかりと案内書にはあるので、この青年のルートは大雪超大縦走とでも言うべきロングコースだ。こちらは写真を撮りながら周囲の紅葉の見事さを確認しロープウェイを降りる。 残念なのは今年の台風であり、あちこちに根こそぎの風倒木や無残に裂けた大木が見られる。1954年の洞爺丸台風による被害は壊滅的だったそうだが、それでも今は美林が戻って来ているという。
まだ少々時間があるので明日のルートの事前調査目的で層雲峡から更に奥に向かい、大雪湖の湖畔道路を進んで途中から大雪山観光道路と名前がある林道に入り、終点の銀泉台まで行ってみる。ここは標高1490mで大雪山系を挟んで旭岳温泉の反対側にあるのだが、この銀泉台から山系を通過して旭岳温泉迄直線距離でも15kmになる自動車道を通す計画があるそうだ。さすがに自然保護団体の反対で中断されているという。ようやく陽が落ちかけて薄暗くなって来たが、ここ     も黒岳展望台の周辺と同等以上に素晴らしい紅葉のようであり、明日の高原沼めぐりを期待しながら層雲峡温泉のホテルに帰る。いつもの事だが北海道には台湾・韓国からの団体観光客が多いようだ。冬の雪景色も人気のようで、年間全観光客の2割以上になるとの事、大変結構。