敦賀富士・野坂岳(914m)(敦賀その1)

明日(10月24日)関西一円は高気圧に覆われ、いい登山日和と思われたので、衆議(と言っても二人)一決ちょっと遠いのだが、敦賀三山の一つ野坂岳を目指す事になった。5時起床、6時出発で宝塚ICから名神高速道路・北陸自動車道を行き、敦賀ICからJR小浜線粟野駅方向へ向かう。大正11年敦賀-東舞鶴が全通し北陸・山陰が繋がったと歓迎されたそうだが、今は朝夕でも一時間に一本なのでこの駅はもちろん無人駅。ここからちょっと山側に上がった所に、キャンプ場・バンガローなどきれいに整備された「野坂山いこいの森」があって、そこに駐車する。ここは標高190mなので、700m強登らなくてはならず、久し振りの事とて膝サポーターなど万端身繕いし、両手に杖を持ってスタート、丁度9時。
歩き始めると直ぐに、下りて来る同年輩の男性に出会い、スタート時刻を聞くと「夜明けごろ(6時)」と。私たちの予定は山頂迄3時間なので、3時間で往復とは「健脚」と感心すると「この頃毎日登っている」と。こちらはこちら方式でゆっくりと足を運ぶ。周りはよく手入れされた杉林で、間伐材が横倒しになっており、木漏れ日が入って明るい。沢のすぐわきの比較的幅広の歩き易い山道だが、最初からかなり急で、ずっとせせらぎの音を聞きながら登る。9時30分「栃の木地蔵」(450m)に着く。敦賀の名水に選ばれている水場なので、顔を洗って、置いてある柄杓で飲む。ここで谷川と別れてジグザグ道を尾根に向かう。頂上迄に一ノ岳・二ノ岳・三ノ岳と三つのこぶを通過するのだが、しばらくして最初の一ノ岳(700m)。山腹にベンチがあり、展望台となっていて、敦賀市内から敦賀湾が見渡せ、苫小牧行きのフェリーが出発寸前である(後で聞くと定期フェリーは10時発だそうだ)。丁度下から二人が登って来て同じように休憩なので、シャッターを押してもらう。少し行くと頂上稜線となり、傾斜が落ちゆるやかとなり、杉林が終わってブナ林になって行く。二ノ岳・三ノ岳いずれも頂きと言うわけでなく、稜線の一部であり、標示がないと見過ごす。この山は独立峰でなく大きな山塊のようだ。ブナの大木の中の美しい山道を行き、11時30分に山頂に到達。予定より早く2時間30分だ。無風好天。広々とした原っぱで、遮るものなく360度の大展望、さすがに一等三角点だ。まず北に向かって立ち、市街・湾を望む。北東は90km先の「白山」がはっきり見え、東南東は40km先の「伊吹山」。南は福井・滋賀の県境を構成する野坂山地の山々、その先は琵琶湖なのだが、逆光ではっきりしない。西は舞鶴丹後半島の方向だ。地元の人が「北方の敦賀半島に見えるのが「西方が岳」、東のちょっと低いのが「岩篭山(いわごもり)」、これらを合わせて敦賀三山だ」と解説してくれる。やわらかい草に身体を伸ばす。頂上でたっぷり時間を取って12時30分下山開始。膝に負担が掛からぬようゆっくり足を運び、駐車場迄2時間を掛けたが、標高差700mをクリヤー出来たのは大きな収穫だった。
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