雨飾山登降十時間             

                                 
9月14日からの三連休の過ごし方について気にはなっていたものの、天候不順の時期でもあり決め兼ねていた。一週間前になっても週間予報では連休は降ったり止んだりのようなので迷っていたのだが、それ程ひどいというわけでもなさそうなので、前日になって白馬アルペンホテルに14・15両日の宿泊を申し込んだ。狙いは新潟県糸魚川市と長野県北安曇郡小谷村の境の山、妙高火山群の西端の山、百名山雨飾山(1963m)」である。
 当日土曜日早朝宝塚を出発、名神を快調に行って一宮JCTから東海北陸道に入る。普通長野へ行くには名古屋から中央道なのだが、この新しい高速道も飛騨清見迄出来上がっているので下見を兼ねて走ってみる。あと数十KM岐阜県北西部の山間地が未完成だが、主としてトンネルで北陸道につなげる計画のようである。飛騨清見から東進し一路高山市・平湯峠・安房トンネル・中の湯(上高地への分岐)・梓湖・安曇村を通って松本市へ出る。ここからは糸魚川街道を北上、途中穂高神社などに立ち寄って、夕刻白馬乗鞍高原のホテルに到着。
 翌日6:30ホテル出発、糸魚川街道をしばらく北上してから右折して小谷(おたり)温泉に通ずる山道を行く。この温泉は450年前武田信玄の時代から武者の湯治場としてあって、現在も県下一の名湯と言われ、ブナの原生林に囲まれた露天風呂も有名とか。その先にキャンプ場があり、広い駐車場があってそこが登山口でもある。依然として小雨模様なのでかっちりと雨具で身を固めて7:45スタート。最初は大海川に沿っての水平行だが、しばらくして急登となりブナ林を抜けると荒菅沢に出る。かなりの水量で流れがあり一休み。沢を渡って対岸の尾根に取り付き樹林帯の中の急登を行くのだが、途中数箇所はハシゴになっている。しばらくして林を出てササが広がる稜線を行くようになると、ガスが流れ視界が広くなる。濃紺のミヤマリンドウがあちこちに見られる笹平を過ぎ、もう一度の急登で頂上に到達。やはりガスで遠望がきかず残念だったが、深田久弥の「百名山」によると、ここからは日本海を越えて能登半島の長い腕が見えるようである。さて下りは例によって要注意である。登りよりも時間がかかるぐらい一歩一歩丁寧に降りる。それでも最後の三分の一ぐらいから膝が痛み出した。今まで痛みが出てヒアルロン酸ナトリウムの注射治療をしたのは右膝だったが、今回は今まで何とも無かった左だ。次々と抜かされてどうやら最終者として何とか登山口に帰りついたのだが丁度18:00だった。
最後の日はゆっくり起床して帰阪。一ヶ所、大町山岳博物館に立ち寄る。大町市の高台に在り三階の展望室からは餓鬼岳から白馬岳の北アルプスが一望出来るそうであるが、残念ながら今日も山々はガスの中である。
後で調べてみると今回の雨飾山は累積標高差が2000mはあったようで、少々無謀であったかな、とも思うが限界を広げる事が出来たし、膝の治療の効果が実感出来たのは良かった。もっとも早速左膝の治療を始めねばならないが。
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