ETC(Electronic Toll Collection)

  7年前に購入したわが愛車ステーションワゴンVOLVOにETCを導入し、既に何回か高速道路を走ってみて快調に作動する事を確認しました。よくご存知の方も多いかと思いますが、少々解説させて頂きます。一昨年2001年3月に船出以来2年余で、ETCサービスのある料金所が862ヶ所となり、今年度末には1300ヶ所ある料金所の殆ど全てにETCゲートが設置されるそうです。一方車載器搭載車が最近百万台に達し、ETC利用率は6%になったそうです。車載器が設置費も含めて二万円程度と低価格化が進展した事が普及を加速したわけですが、何と言っても高額ハイカの廃止に対して、ETCで前払いサービスを利用すれば五万円でハイカと同額の五万八千円の利用が可能となるというのが大きいと思われます。実は私もそれに惹かれて申し込んだ次第です。
  十年ぐらい前、住金時代にこれにちょっと似たシステムを開発した経験があり、その時これを応用すれば高速道路の料金所の無人化が可能だなと感じた思い出があります。それは競争馬のラップタイム計測で、今でも栗東の訓練場で快調に使われ、無くてはならない装置になっています。数千頭の馬のIdentifyには馬の尻に鉢巻ならぬ尻巻きのように装着する少々工夫された4桁のバーコードを使いますが、門型のゲートの上部から6角形の回転ミラーを経由して地面に向かってサーチライトのようにレーザー光が投射され、バーコードに当たると投射器の方向に反射するように工夫されています。バーコードは10cm×15cmぐらいであり、15cmを移動するのが約0.01sec(馬の時速を60kmとして)だが、その短時間にサーチライトが3回投射されてバーコードを読み取るわけである。計測を意識するわけでなく只全力疾走している時に自動計測してくれというのが顧客の要望ですが、100メートルの間隔の門型ゲートを二つを作り、その間の直線コースを疾走してもらえば計測するという事になっています。何十頭もの馬が本式の競馬場と同じように先を競ってその直線コースに入って行くのです。栗東では明け方が練習の佳境、霧もよく出ますし小雨でももちろんやります。正常に計測出来て検収してもらえるまで大分苦労したように記憶してますが、関東の美浦でもその後導入されたと聞いてますから、儲けにはまったくなりませんでしたが、世界初の装置を完成させたという喜びは大変大きなものでした。
  車のルーフにこのバーコードを貼り付ける事を義務づけさえすれば、あとは自動引き落としで料金回収が出来ます。手続きしていない車は高速道路に入れても出るときにゲートが開きません。もちろんバーコードなしの車に対しては入り口ゲートは開きません。そんな事を当時考えましたが、無線技術が圧倒的に進歩したようで、へたな考え休むに似たりだつたようです。車載器に装着したICカードに入場したインターチェンジ名が記録され、出る時にそれと引き落とし銀行名が読み取られてゲートが開く、となっているのだと想定していますが、大したものです。