名峰・雌阿寒岳(1499mの活火山)            

 土曜日9:20関空発で帯広に向かう。そこでレンタカーして北上し、帯広市内を通り抜け十勝川を渡って阿寒湖を目指す。途中、池田町のワイン工場に寄り町営レストランで昼食。町内の山野に実る山ブドウに注目し当時の町長の発想でワインの製造を試み、昭和42年から「十勝ワイン」の名で市販を始め、人気を呼んで町興しの先駆者になったという。早目に阿寒湖畔のホテル「あかん遊久の里・鶴雅」に着く。今回はJTBの二人ツアー扱いなのだが上級の宿で、ベランダには流しっぱなしの温泉風呂があり、浸かりながら真下に湖面が見える。
 翌朝は湖から南西の雌阿寒岳登山(平成10年に小規模ながら噴火があって、平成12年6月まで登山禁止だった)であり、車で20分程戻った雌阿寒温泉(=野中温泉)が標高710mの登山口だ。入山の記帳をして丁度8:00まず鬱蒼としたアカエゾマツの森に分け入る。真っ直ぐに整然と伸びた幹が美しく、光が地表に届かない為、林床につきもののササが見られず苔とわずかな草本植物が見られるだけだ。表土が流されて樹の根がむき出しになった登山道なので少々歩き難いが、針葉樹林特有の芳しい森林浴コース。3合目迄来ると見事に成長した高いハイマツのトンネルが続くが、しばらくして普通のハイマツ帯に変わり、エゾイソツツジ(写真右)などが見られるようになる。大きな沢地形を渡ると4合目でここから傾斜が一段ときつくなるが、ジグザグを描いて高度をかせぎ振り返ると樹海の中に「森と湖の国」を思わせるオンネトーが見えて来る。やがて火山礫の裸地になり例えばメアカンフスマ(写真左)が現れる。 火口の外壁上の山頂部に出ると直径数百米の爆裂火口の一部からジェット機の噴射音のような轟音で白い噴煙が上がっている。残念ながらガスがかなり流れているが、合間々々に阿寒湖を望みつつ山頂に到達する。11:10であり、今回は標準時間プラス10%で済んだわけだ。登山口へ下山し温泉で汗を流し、オンネトー湖から今登った山頂を望んで一件落着とし、今夜の宿釧路のプリンスホテルに向かう。