高山植物のアポイ岳へ             

 6月末の金曜13:30札幌から襟裳岬の方角へ家内の運転のレンタカーで向かう。目標はその少し手前のアポイ岳(標高811m)登山である。道央自動車道・苫小牧東ICから日高自動車道へ入る。雲はあるが晴天と言ってよく気温23℃、風速2mと表示されている。日高富川ICからは海岸沿いの国道235号を行く。門別町新冠町(ニイカップ)・新ひだか町浦河町を経て様似町のアポイ山荘に18:00到着。温泉に入って夕食、明日の準備をして早めに就寝。翌日も晴天、おにぎりの弁当を作ってもらって7:30に出発、登山口の駐車場(標高80m)に車を置いて7:50スタート。広い遊歩道を歩き、水量の多いポンサヌシベツ川を渡ると樹林帯となり、木漏れ日の射すよく整備された山道を行く。標準タイムの約2時間で五合目の休憩小屋(380m)に着いたが、ここからは山頂が望める。一休みのあと馬の背(600m)に向かってハイマツ帯を急登すると、途中から太平洋が大きく広がる(写真上)。馬の背にたどり着くとしばらくは上り下りを繰り返す水平行だが、最後の一喘ぎで山頂に到達(写真中)。アポイ岳は海岸からわずか4kmにあり、しばしば、海からの濃い霧が光をさえぎって気温を低下させ2000m級の高山と同じような条件を作り出すという。またこの周辺は「幌満カンラン岩体」と呼ばれる特殊な地質である。この濃霧と特殊地質の影響で80種以上の貴重な高山植物が見られると案内書にはあるのだが、時期が違うのか今回はあまり見かけなかったのは残念だった。絵葉書から取ったこの赤い花はヒダカミセバヤで9月が花期だそうだ。ちなみに山名は「アペオイヌプリ」(アペは火、オイは多くある所、ヌプリは山)で、これが訛って「アポイ」となったと言われる。12時に下山開始、下りは杖二本を使って膝をかばいつつ降りる。三時間でアポイ山荘に帰り、風呂で汗を流し、今夜の宿へ向かう。時間があるので襟裳岬まで行って写真を撮り、サラブレッド馬産地・新冠町まで引き返してホテルヒルズに19:00到着。花は絵葉書だったが、懸案だったアポイ登山は無事結着した。