久し振りの大山(別名・雨降山1252㍍)

2月11日から上京し数日間鎌倉に居たので、14日の日曜日丹沢大山国定公園の大山に登ってみる事にした。普通のウォーキングシューズで、小ザック背負って8:00出発、電車で平塚迄行き、そこから小田急伊勢原駅行のバスに乗る。前日とは変わって薄曇りで陽ざしはあるものの、大山山塊は厚いガスに覆われている。平塚には小学校時代から十年程住んでいたので、その頃このバスに乗った事もあっただろうが、何十年ぶりの事でもあり、初めてに等しい。とは言いながら「横浜ゴム前」「追分」「共済病院前」「中原上宿」など、始めのうちのバス停名は記憶にある。新幹線のガード下を過ぎる頃、ガスが割れて大山の頂きが顔を出した。住宅地から離れて田園地区となり、しばらくしてまた市街に入って、平塚から25分で伊勢原駅に到着した。駅南口から北口に渡って「大山ケーブル行」バスに乗る。市街地を過ぎる頃東名高速道路をくぐり、太田道灌塚を過ぎると登り坂となり、「丹沢大山国定公園入口」の大きな横幕が見えて終着。観光案内所でガイドマップをもらって、両側に土産物屋が続く「こま参道(362段)」を15分程歩いて、「大山ケーブル駅/追分駅」へ。
850円のケーブル往復券を買って、10:20発。このケーブルは昭和6年開業だが、19年に線路と車両が戦争物資として取り外され、戦後40年に復活したという。線路長786㍍・車両傾斜角22度・モーターは150キロワットで、つるべ式とある。一本のロープの両端に車両が繋がれていて、一車が上がれば他車が下がり、中間点(大山寺駅/不動前駅)ですれ違う。ケーブルカーから眺める杉林は昨夜来の雪で真っ白、深々とした風景だ。6分で阿夫利神社駅/下社駅に到着。大山阿夫利神社(写真右は下社)は、社伝によると、今から2000年も前、第十代崇神天皇の頃の創建であり、山頂に本社がある。大山は古来より山嶽神道の根源地でもある。店屋で杖を借りて「大山頂上は本坂28丁これより2077㍍、(ここは)1丁目標高696㍍」と書かれている石柱を見ながら、登山口から雪道の山に入る。
太いのは樹齢100年かと思われる杉林の中を行くのだが、よく間伐され手入れが行き届いているので、時折林の中から相模湾が望め、微かに江の島が見える。5㌢程度の雪なのでアイゼンなしでも問題ないのだが、そうは言っても下りはどうかなと思いながら約1時間歩いたところで、「本坂追分16丁目」(992㍍)と書かれた石柱のある、ちょっとした広場に来た。ここまで標高差約300㍍を登ったのであり、残りは260㍍だ。ここでアイゼンをつける人も居て、思案のしどころだが、いずれまた快晴の機会もあるだろうしと、今回はここで撤退する事とした。丁度12:00の下山開始で、下社まで40分、ケーブルで追分駅に戻って豆腐料理屋に入った。大山の清水で作った豆腐という事で有名だそうだが、3品1000円だった。源泉かけ流し入浴700円とあったが、風邪を引いてもいけないし、バス2回と電車で16:00に帰還した。関西もいいが、富士箱根・丹沢大山もトレッキングにはなかなかいい所だと再認識したのが、今回の収穫だ。