2005-01-01から1年間の記事一覧

熊野古道小辺路を歩く                     

「紀伊山地の霊場と参詣道」(熊野古道)が昨年7月世界遺産に登録された事もあって一度歩いてみなくてはと思っていたが、暖かくもなったし、しばらく運動不足気味でもあったので、急遽一泊二日で敢行する事になった。土曜日の朝6:00に宝塚を発ち、高速道路を…

浄瑠璃寺の春                  

お彼岸の日のテレビが言うには、その日には浄瑠璃寺の国宝「本堂」(九体阿弥陀堂)の丁度中央の位置に夕陽が沈むのだそうだ。そして阿弥陀仏を西に向かって拝めるように本堂の中の九体を一列・東向きに配置し、本堂前に浄土の池を造り、こちら側から文字通…

経済成長神話からの脱却                    

GDPの対前年伸び率が1%では低く、不良債権処理の目途が立つ迄はやむを得ないが、我が国としては3%が必要だとか言われる度に、そしてその為には消費の拡大がポイントだと言われる度に、これ以上何を買えって言うのだと違和感を覚えずには居られず、もっと…

台湾の近代化に尽くした八田與一            

昭和初期、サトウキビさえ育たない荒野だった台湾南部を、大規模なダムと灌漑用水路の10年がかりの建設によって、台湾最大の穀倉地帯に変えた日本人、金沢市出身東京帝大土木科卒・台湾総督府土木技師「八田與一」を皆さんは今や十分にご存知でしょうね? 昭…

台北101觀景台                     

3月の始めに三日程社用で、十年振りの台北におりましたが、「15年遅れで日本を追っている」と李登輝さんが陣頭に立って開発〃〃で慌しかったように思えた時と比べ、街中が大分落ち着いたかなと感じました。前回と同じく故宮博物院・中正紀念堂・總統府・龍山…

櫻井よしこ、劇的な半生                      

才色兼備のオピニオンリーダーとして更なる活躍を陰ながら期待している櫻井よしこ氏、若き日の悩み・苦しみ・葛藤と真摯に向き合った回想記が刊行されたが、読み応えのある好著である。 日経ビジネスの新刊紹介欄でのインタビューで著者は『父は仕事一筋で母と子供を置き去…

サロマ湖常呂遺跡(その2)                

雪に埋もれた復元竪穴住居を見て回った後、「開館中」の標示がぶら下がっている「ところ遺跡の舘」(写真下左)に入る。若い男性管理人が一人居て、今の時期には殆んど来館者は居ない筈なのに珍しい事、といった顔つきで迎えてくれる。竪穴住居をイメージして…

サロマ湖常呂遺跡(その1)              

冬の二度目の北海道旅行はJALで伊丹空港を発ち新潟・盛岡・釧路・女満別がルートである。本州は殆んど厚い雲に覆われていて残念だったのだが、北海道東部に来ると俄然晴れて、左手に雪を頂く日高山脈・十勝連峰・大雪山系が遥かに望まれる。初めて目にする想…

第四次世界大戦                      

丁度二年前にPHPから初版が出版された、日高義樹著『アメリカの世界戦略を知らない日本人――「イラク戦」後、時代はこう動く』の各章表題を列記すると、●イラク戦争が世界を変える ●日米安保の時代が終わる ●「次はお前の番だ、キム・ジョンイル」 ●当分北朝…

ブッシュ政権とイラク戦争               

表題は新刊『ウルカヌス(VULCANS)の群像』という600頁近い大著の副題だが、著者J.Mannは米戦略国際研究センター所属のライターで、100件(人)を優に超すインタビューを行なった上で本書を執筆している。以下は主として「日本語版への序文」「はしがき」「む…

仕組まれた?日露戦争                       

1988年に東洋経済新報社から出版された、ウッドハウス暎子著「日露戦争を演出した男モリソン」が昨年末に新潮文庫になり、仕組まれた日露戦争を検証する画期的労作、との事なので早速読了、以下は読後感である。まずモリソンだが、1862年生まれの豪州人、1897から…

学士会館(本館)                    

40年余り前の結婚式を神田学士会館で行なった事と、今から丁度10年前に会員になった事ぐらいで特段の関わりはないが、最近時折宿泊をするようになったので、学士会館を調べてみた。まずパンフレットには『学士会館の発祥は古く、明治19(1886)年に開かれた…

2.26事件は何故起こったか (渡部昇一新刊その2)

渡部昇一著「昭和史」を通読して興味を持った点が二つあり、一つは「その1」にまとめた「満州はシナではない」であり、もう一つがここで取り上げる2.26事件(1936年)の原因についてだが、私はこの点についても著者の見解に同感というか、さもありなんと感じて…

横浜山下公園の氷川丸                  

ペリーの再来航上陸地探索の為に横浜開港資料館を訪ねたついでに、そこから数分の所に係留されている氷川丸を見に行く。係留を知ってはいたが乗船しての見学は今回が初めてだ。もらったパンフレットを要約すると氷川丸の略歴は以下の通り。日本郵船の社船と…

東大寺の除夜の鐘                   

いつもは六甲山の前山にある、自宅からも近い鷲林寺に除夜の鐘を撞きに行くのだが、今回は思い切って遠出をする事にした。大晦日の22時に出発し第二阪名道路の生駒山のトンネルを抜け一時間少々で東大寺に到着、南大門横の駐車場に車を置いて大仏殿の右手を…